『シン・ゴジラ』を見て思う絶賛と違和感

『シン・ゴジラ』をシン・デブラというあだ名の人と見ました。
 いつものように予告編貼っとく。

 なるほど。色んな人の絶賛がうなずけるいいゴジラ映画でした。同時にこの映画がよくなかったと言う人達の意見にもなるほどなぁと納得した映画でした。
 
東浩紀さんによる『シン・ゴジラ』感想(含むネタバレ)(20160802)

 この映画に東日本大震災を見る人や行政や自衛隊の大活躍にある種のメッセージを感じる人も多かったかもしれません。でも、この映画はそう見ない方がスッキリくるように思えます。
 『シン・ゴジラ』は日本のオタクが好きなものを詰め込こんだ見せ方としては最高によくできた作品だったと思います。逆にいえば、それに特化した映画とも言えます。
 自衛隊や行政官がかっこよく活躍するのは僕らが〇〇作戦や乗り物が好きだから。強気なエリート女性やオタク気質理系女性が出てくるのは僕らがそういう女の子が好きだから。そのこと自体に大した意味はありません。もっともなぜそういったものを無意識的に好むのかという思考の余地はありそうですが。
 ゴジラはそういったオタク的な僕たちが好きそうなものをクオリティが非常に高く、そして予算効率がよく、詰め込まれています。だからすっごく興奮するんだけど、私はちょっと押し付けられてる感じも感じました。ほーら、こういうの好きなんだろ?っていう感じ。
 これは庵野秀明監督の特徴なのかもしれません。私はEVAシリーズもそう感じたし、この『シン・ゴジラ』の中にはEVAらしさがこれでもかというくらい見られます。

 一昨年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』もよくできたゴジラ映画ですが、『シン・ゴジラ』ほど押しつけられてるとは感じませんでした。ゴジラに対するリスペクトを表現しつつ、エンターテイメントとして自分の作品をつくってるように思えました。原発事故のシーンがいきなり序盤にあり、ストーリーの軸とはそれほど重要性はないのですが、とてもリアリティがあってむしろこっちの方が社会的なメッセージが強いように思えました。『シン・ゴジラ』の放射能はメッセージというよりはネタとして使われている印象でした。
 映画としては『GODZILLA ゴジラ』の方が上。ただ、ゴジラ映画としてはシン・ゴジラ』の方が上。それほど『シン・ゴジラ』はゴジラ映画として特化しているように見えます。 

 どちらかというと『GODZILLA ゴジラ』より『パシフィック・リム』の方が『シン・ゴジラ』に近いように思えます。
 『パシフィック・リム』は大怪獣VS巨大ロボという男の子の夢を楽しむことに特化した映画と言えるでしょう。社会的なメッセージなどほとんどありません。エンターテイメント性に優れた名作です。
 でも不思議なことに『パシフィック・リム』は『シン・ゴジラ』ほど押しつけられてる感じがしません。『パシフィック・リム』のデル・トロ監督はとんでもない日本特撮オタクなはずなのですが。。。
 でもデル・トロは『パシフィック・リム』のエンターテイメントとしての間口をかなり広げています。ヒーローやヒロインは広く一般受けしやすく、そこに自分が好む強烈な脇役を配置しています。僕の好きなものと大多数が好きなものを絶妙に混ぜています。

 『シン・ゴジラ』はオタク好み的な部分でいうと最高傑作に近いくらいよくできています。だから大絶賛する人が多い。
 一方で、そのオタク好みだけで物足りない社会性を求めてる人や、押しつけが嫌な人には、物足りなく思えたり、過剰な演出に思えたりするのではないかと思います。私はこっちの感覚の方が近い。
 おそらく海外でも大ヒットするでしょう。既に日本のオタクが好きなものを好きな人は世界中にいるからです。そういう意味では『シン・ゴジラ』はクール・ジャパンの体現者ともいえるのではないでしょうか。

Tags:

Share Post :

More Posts