メリル・ストリープのスピーチはなぜダメなのか

 女優のメリル・ストリープが受賞スピーチでトランプを批判したことがちょっとした話題になっています。
 スピーチ全文を含めた経緯はこちらをご覧ください。

メリル・ストリープ、ゴールデングローブ賞のスピーチでトランプ次期大統領を批判(全文)

 結論から先に書くと、私はトランプの発言や態度の批判からトランプ新大統領の反発を示すのはむしろ社会にとってマイナスであると考えています。礼儀や発言に問題があるのなら、その部分を直すべきという範囲に留めるべきです。

 なぜ、こんなことを書くのか。それはこのブログでも以前に書いた”分断”に対処するためです。

トランプ現象からリバ邸・現代の駆け込み寺を考える

 今回のスピーチについてはストリープが「その人たち(部外者や外国人)を全員追い出したら、フットボールとマーシャルアーツ(総合格闘技)以外に見るものがなくなります。しかしそれはアーツ(芸術)ではありません」と言ったことがちょっとした話題になりました。文章を見れば分かるとおりこれは格闘技と芸術のアーツをかけた洒落なのですが、それを差し引いても私はちょっと気になりました。
 余談ですが、私にとってメリル・ストリープといえばなぜか強盗と一緒に激流下りをする『激流』で強盗どもを叱咤していたイメージが強烈に残っております。

 トランプは確かに過激な物言いをします。それによって一部の差別を扇動してしまっていることも事実です。だが、同時にそんなトランプを支持して、現状を変えてほしいと切に願っている人達も相当数いるのです。だから大統領選挙に勝ったわけですから。
 前のブログでも分かるとおり、トランプ支持と不支持は都市と地方でくっきり分かれました。ある種の階層によってトランプ支持と不支持が分かれています。だから都市部の人達はまさかトランプを支持している人達があんなにたくさんいるとは気づかなかったのです。
 おそらくですが、メリル・ストリープがジョークで使ったアメフトや格闘技を見るのが芸術にふれるより好きな人達はトランプ支持者の方がかなり多いでしょう。メリル・ストリープのコメントは図らずもそういう人達を下に見るニュアンスが生じてしまっています。
 ちなみにNFLも総合格闘技もハリウッド以上に人種のるつぼです。

 都市部のトランプ不支持者が地方のトランプ支持者をあんなトランプを支持するのは愚か者だと判断してはその分断は広がるばかりです。
 大事なのはなぜ彼らがトランプを支持したのか、そこにトランプ不支持者は思いをはせることです。トランプ不支持者にとってトランプ不支持者が見えていなかったというのはとても大きな問題です。トランプ不支持者がトランプ支持者を理解しようと努めないかぎり、この溝はさらに広がります。
 トランプの過激発言からトランプを叩くことは、その意図とは裏腹にむしろ分断を強めてしまうことになりかねないのです。

 というわけで、とりあえずメリル・ストリープは今が佳境のNFLのプレーオフをガッツリ見てバカ騒ぎするべきでしょう。

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