常見陽平さんの本を読んで考えた! 新卒一括採用改革案

ここ最近YAHOO!のポテンシャル採用(新卒・既卒/30歳以下対象)のニュースなどもあって、新卒一括採用について考えている。そんな時、常見陽平さんの『「就活」と日本社会』を読んで日本の就活と新卒一括採用問題について理解が深まった。
そこで私なりの新卒一括採用改革案を記したい。

だが、その前に二つほど前提条件を確認したい。

まず一つ目。
新卒一括採用の定義がけっこうあるのでここでの定義を。ここで私が言う新卒一括採用は既卒者が排除され新卒者のみ応募可能な募集について指したい。これはそもそもの考えるきっかけが卒業後の空白期間が就活の機会を閉ざしているかという問題意識を投げかけられたからである。卒業後に1,2年自由な活動をするともう就職の道が閉ざされるから新卒一括採用は悪だという声に答えを出す目的で考えたのでこの定義にしている。

そして二つ目はもっと重要な事実確認の前提である。
実は新卒一括採用を上記のように定義した時、日本では新卒一括採用は既にかなり廃止されている。
上の常見陽平さんの本にも書いてあるが、2010年の政府の指針を受けて日本の大企業の7割は既卒者を新卒の枠で応募可能にしてるのだ。
だが、ここで別の問題が浮上する。それは応募可能であることと採用されることは別であるということだ。下のサイトを見ると分かるが、既卒は応募可能だがその中で既卒を採用している企業は決して多くない。

【大学と就職】8割の企業が採用しない? 既卒の就職活動の厳しい実態

つまり、新卒一括採用は制度としては既に崩れているが、結果としては強く残っているということだ。
この大事な前提を踏まえてやっと私の新卒一括採用改革案を書きたい。

 

新卒一括採用改革その1 大企業に採用基準を点数化して公開することを義務づける

常見陽平さんも就活の不透明性の是正を訴えていた。しかし、不採用者にお祈りメールの代わりに「あなたを不採用にした理由はこれです」というメールが来るのは切ない。
私が公開すべきという採点基準は点数化したものだ。例えば、採用を100点満点とした時に新卒者は30点加点するとか東大は50点加点するとかといった形だ。最も重要そうなのは新卒か既卒かという点と出身大学だろう。他にも企業によっては資格などの加点項目もあるかもしれない。そういった就活以前の加点を公開する。

もちろんこれだけでは本当にそのように選考をしているのか結局は不透明である。この改革案は次の改革案とセットで行われることで初めて意味を成す。

 

新卒一括採用改革その2 大企業に昨年度の採用決定者の内訳を公表することを義務づける

大企業は採用決定者について新卒既卒の割合や出身大学の内訳などの情報を公開する。どっちかというとこっちの方が重要である。
結果として、採用基準で新卒や出身大学に加点がない企業で新卒や有名大学が大半だったということもあるだろう。それ自体は悪いことではない。大事なのは選考基準と結果の両方を公開することによってその企業の採用活動の今まで見えてこなかった部分が透けて見えてくることである。
就活する人はこれらの情報をもとに就活を行うことによって不必要に応募しまくったり傷ついたりすることは減るはずだ。可能性が低いところにチャレンジするか、応募しないで諦めるかは自由だ。現状ではそのへんの指標が薄々は見えているもののはっきりはしていないことが問題ではないだろうか。
しかし、これだけでは結果としての新卒一括採用があまり是正されないかもしれない。そこでさらに三つめの改革案を。

 

新卒一括採用改革その3 就活アファーマティブ・アクションを推奨する

アファーマティブ・アクションとは今まで差別されていた人々の為に大学入学などで有利になるよう計らう政策である。アメリカでは黒人の人に優先枠を設けるなどが実際に行われている。
大企業に既卒者などの採用枠を設けることを補助金などで推奨する。これは既卒者以外の色々な人に発展することでかなり面白いことになるかもしれない。
結局、結果としての新卒一括採用を崩すということは就活アファーマティブ・アクションを行う以外にないのではないかと思う。

 

以上、ほとんど就活の世界に関わりのない私であるがない知恵を絞って考えてみた。
結論を言うと結果としての新卒一括採用(既卒不利)は止めようがないので選考基準と選考結果を可視化するのとプラスアルファという形になった。新卒一括採用改革案ではなく就活改革案の方が近いのだろうが、最初に考えたのが新卒一括採用の是非だったのであえてこの名前とした。
おそらくこれだけでは卒業後に何か活動をして就活が遅れてもあまり不利にならないといった自由で多様な生き方を肯定する社会にはまだまだ遠いだろう。これ以上は就活のシステムだけでなく雇用や社会保障のシステムをいじる案になる。それについてもそのうち書いてみたい。

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