真田丸大坂城に学ぶ人が離れていく組織の特徴

 『真田丸』の真田幸村は武勇や知略というより人間関係調整力みたいなとこを重視して描かれてるように思えます。
 そこで今回は大好きな『真田丸』の大阪城から組織運営の敗因を考察してみました。実際には大坂城は人が離れるのではなく戦に負けるわけですが、人間関係に注目してるので”人が離れる”とさせていただきました。

その1 甘い言葉で人を釣る

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 戦が迫った時、大坂城の豊臣の武将は少なく、何万もの浪人をかき集めることとなります。名のある有能な武将も多く集まるのですが、豊臣と縁のある幸村以外は色んな思惑を持っています。
 死に場所を求めてきた後藤又兵衛は変わり種で、だいたいはみな何かの希望を持って集まってきます。画像の長宗我部盛親は長宗我部家の四国での再興を願って、キリシタンである明石全登はキリスト教の布教の許しを願っています。劇中でははっきりそのシーンはありませんが、豊臣方は二人の願いを勝利の際には聞き入れると約束してる節があります。長宗我部家の再興もキリスト教の布教もかなり望み薄なのですが、二人ともことあるごとにこの希望を語り本気です。浪人達も勝利の際の士官を願って集まってきます。
 現在でもこういう組織ってありそうですよね。根拠なく利益を約束して人を釣る。もしくは前向きなキラキラ言葉をやたら語って人を集める。こういう組織はちょっと警戒すべきです。

その2 組織内に変な溝がある

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 そうしてせっかく集まってくれた浪人達。徳川との戦には絶対必要な戦力なのですが、最初から豊臣にいる家臣達は明らかに快く思っていません。しょせん浪人と低く見るだけでなく、信用せず要所を任せないのです。秀頼の乳母である大蔵卿局のこの蔑む視線!
 現代でもこういう組織って数多くあるのではないでしょうか。立ち上げメンバーとそれ以外の人の間に明らかな差ががあるような組織ではやがて人は離れていくでしょう。

その3 組織内の意思決定に嘘がある

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 そんな豊臣陣営ですが、さらに悪いことがあります。
 豊臣の大将はもちろん右大臣豊臣秀頼! なのですが、本来ならリーダーである彼が最終決定をするはずなのに、母の茶々やおじの織田有楽斎などが口出ししてきて、組織の意思決定のシステムが本来の形と全く違うものになっています。織田有楽斎に至っては徳川のスパイだったというおまけつき。
 組織の意思決定システムに嘘がある組織は不健全です。民主主義な話し合いで決めるはずが誰かの一言で決まってしまうとか、リーダーとは別の誰かが実質的なリーダーになってるとか、チームで運営してるということなのに実質一人だったとか、そういう組織は危ういでしょう。

その4 お金のトラブルを抱えている

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 先日放送の48話『引鉄』を見て意外だったのは大坂夏の陣に向けての決定打のきっかけの一つに浪人たちへの給金の支払いの遅れがあったことでした。徳川と戦う為に膨大な浪人を雇うことになった豊臣にとってお金や兵糧は頭の痛い問題だったのでしょう。
 会社なら給料の未払い、会社以外の組織なら金銭トラブル。これが致命傷になるかもしれないのは昔も今も同じなようです。

 

 実は『真田丸』の中で幸村はこれらの問題にしっかりと取り組んでいます。
 その手法は基本的には一つです。

対策 誠実であれ

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 上記の特徴はどれも嘘や不誠実さに関連しています。だから誠実にことに当たることが何より対策となるのです。一つ一つ見ていきましょう。
 秀頼が四国への国替えを決心したことを受けて、幸村は長宗我部盛親には正直に四国は無理だと伝えます。長宗我部盛親はでは淡路島でもとおどけて応えます。何気ないシーンでしたが、けっこう好きなシーンです。
 豊臣方と浪人達の溝についても豊臣縁故でありながら浪人だった幸村は粘り強く間に立ち続けます。それは秀頼側近の大野治長の心に届き、彼は浪人だった武将達と心を通わせていきます。
 さらに秀頼に大将としての自覚がじょじょに芽生え、大阪城の意思決定も幸村や武将達の考えた作戦に秀頼が最終決定を下すというシステムが確立していきます。大蔵卿局の影響力は弱まり、織田有楽斎は追放されます。
 給金の未払いについても、戦の為に備えていた蔵の金を配る決断をします。秀頼は可能な限り浪人たちを家臣として召し抱えることを誓います。

 しかし、それでもそれでも大坂城は破滅的な大坂夏の陣を避けれませんでした。
 もしもっと早く豊臣方がこういった問題点を改善していたら、多くの真田丸ファンが望んだ豊臣大勝利が成し得ていたかもしれません。

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