困ってる人を助けるためにシェアハウスを始めてはいけない

 私は2年近く自主運営のシェアハウスをやってきました。電気水道ガス込みで25000円という家賃設定の為、色々な事情を抱えて困っている人が住人として来ることもあります。
 そんな中で2年続けてみて色々なことが起きる中で、私は

居場所がなくて困ってる人を助ける為にシェアハウスをつくるというのはやめた方がいい

 という結論に達しました。

 

 その理由を二つ書きたいと思います。

理由その1 シェアハウスは実は敷居が高い

 諸々込みで家賃25000円と上に書いたばかりですが、はっきりいってシェアハウスやルームシェアは敷居が高いです。
 その敷居の高さとは、人と共同生活することです。他人と一緒に生活するのは難しく、ストレスも溜まります。共用スペースはルールやマナーを守って使わなければいけませんし、音などについて気をつかったり逆にガマンすることも必要になってきます。

 もう一つ、シェアハウスは近所の目が厳しいという面もあります。
 私は地域の清掃など自治会の活動になるべく参加するようにしています。前にそこで班長さんにこう言われたことがあります。「シェアハウスって最初は心配だったんだよ」
 シェアハウスをしますと言って挨拶すればご近所さんが怪しい目で見るのは仕方ないことです(近所に黙ってやるのは何かあった時に決定的にまずいことになるので絶対お勧めできません)。ご近所に対して騒音や振動、異臭などで迷惑をかけないようにしっかりしなければいけませんし、それができない住人は退居してもらうしかありません。

 シェアハウス暮らしはひとり暮らしよりずっと生活力やストレス耐性が求められます。
 個人差はありますが、困ってる人の中でただ住む場所があればいいという人はほとんどいません。個人的な事情が色々ありますし、ストレス耐性も平均より低めの方が多いように思えます。
 彼らにシェアハウスに住んでもらうという発想は適切といえるでしょうか?

 

理由その2 生活保護は住環境をしっかり整えてくれる

 この2年で色々あったことの一つに生活保護の申請同行にいったりするなど、生活保護について勉強する機会ができたことがあります。
 もうどうしようもなく困った時のライフラインである生活保護。実はこの生活保護はただ月々いくらくれるというだけのものではありません。家がない人には住む場所を提供するところまでしっかりサポートがあるのです。
 実際には部屋を見つけにくいという問題もありますが、敷金や礼金、不動産手数料、引っ越しや新生活にかかるお金まで、住む場所がない人が生活保護を始める時に新生活を整備するお金がかなり出してもらえます。
 詳しくは下の本などで調べてみてください。

 なので、すっごい困ってる人がわざわざシェアハウスに住む必要性はあまりありません。

 

 

 と、なんか否定ばっかり書いても悪いので、逆に困ってる人の為にシェアハウスをするとしたらどうしたらいいか自分なりに考えてみました。
 これも二つ。題して

それでも困ってる人のためにシェアハウスをしたい人へのアイデア

アイデア その1  しっかり勉強して専門家になろう しっかり準備して専門機関になろう

 二つ書いてるようですが、個人と団体(場所)それぞれに向けてほぼ同じことを書いてます。
 ちゃんと人を助けたいと考えるのなら、福祉や心理などの勉強をしっかりする必要があります。しっかり専門知識を身に着けて何かの専門家になりましょう。
 大学に通って勉強するのは大変という人には通信制でも福祉の資格が取れます。
 また、多くの団体で研修やボランティアを随時受け付けていますので、現場で勉強する機会も探せばいくらでもあります。私もそうやって勉強しています。

 もう一つ、団体についてもしっかりとする必要があります。なんとなくでつくっていては無責任で機能しません。名前だけでなくしっかりとした組織を目指して動く必要があります。
 私は一応そういった専門の仕事をしていますが、一人で団体をつくろうなんて大それたことは思いません。同じような志のある専門家が何人も集まってやっと団体をつくることができるのではと思います。
 とりあえず活動して困ったことがあったら既にある団体に投げて助けてもらえばいい。こう考える人もいるかもしれませんが、別の目的でつくったならまだしも人助けをしたくてつくったのに肝心なところは人任せという団体が周囲の信頼を得られるとは思えません。

 

アイデア その2 シェアハウスをメインではなくサブとしてやってみる

 困ってる人の為にシェアハウスをすることがむいてないのなら、それをメインの活動にしなければいいのです。
 メインを相談事業にして、その一つの解決策として住む場所を提供する形なら、困ってる人の為のシェアハウスも可能性があるかもしれません。
 まぁ、これって「もやい」や「ほっとプラス」などの既存のNPOがやってるスタイルなんですけどね。

 この場合はシェアハウスというより普通の家だったり、保証人に団体がなる保証人事業だったりしますが、相談や支援をメインとしてその一つの手段として住整備もサブでやるというスタイルは私の提案とほぼ同じです。

 

 

 なんだよ、せっかくやる気になってるのにまず勉強しろとかしっかり準備しろとかそういうこと言うのかよ。そう言われる人もいるかもしれませんが、そういう人は上に書いてあるとおりまずは既存のNPOを手伝ってみるのがいいと思いますよ。
 自分達で何かをつくるのはそれからでも遅くはありません。

 あ、起業する人たちが集まって刺激を受けたいとか、楽しくシェアハウスをしたいとか考えてシェアハウスをつくりたい人には今日書いたことは関係ありません。そういう中でもし困ったことがあったら色んな機関を頼るといいと思います。
 でも、困ってる人を助けたいというのがシェアハウスをつくる目的ならもう少しじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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