トランプ現象からリバ邸・現代の駆け込み寺を考える

 今年の漢字が”金”と発表されたそうですが、今年の漢字は分断の”分”しかないだろうと私は思います。
 ブレクジット(イギリスのEU離脱)やトランプ大統領誕生など、今年ほどあっと驚く選挙結果が見られた年はなかったでしょう。多くの人はブレクジットやトランプに投票する人は少ないし愚か者だと思っていました。しかし、彼らは過半数を越えていました。もちろんその全員が愚か者だったわけではありません。メディアも完全に予測を外して面目を失いました。メディアや多くの人はなぜ彼らが見えなかったのでしょうか?
 人々が分断している(実はしていた?)と多くのメディアが報じました。人々はどのように分かれているのか。今年私が聞いてなるほどなぁと思ったのは東浩紀さんの都市と地方という分類でした。

 都市と地方。これは都市的な人と地方的な人と言い換えた方がいいでしょう。
 都市的な人の特徴をあげてみましょう。彼らは専門職や新しい仕事など流動性の高い仕事に就いています(または目指しています)。起業家などもそうでしょう。地縁に縛られることなく人との交流も流動性があります。色んな人がいる社会が当たり前なので自然と多様性を受け入れます。いわゆるグローバリズムの恩恵を受ける、もしくは影響がない人が多そうです。
 一方の地方的な人は古くからある仕事をしてる人で仕事の流動性は低いでしょう。地縁の中で生きていてやや閉鎖的です。マイルドヤンキーという言葉が一時期流行りましたが、これはかなり近い言葉だと思います。グローバリズムの悪影響を既に受けている人達でもあります。アメリカでトランプに投票したのは彼らです。
 アイキャッチ画像は州別の大統領選の投票結果です。綺麗に都市部がヒラリー支持、地方がトランプ支持に綺麗に分かれています。

 前置きが長くなりました。
 そんな分断から私もちょっと関わっているリバ邸を考えてみたいと思います。
 リバ邸とは家入一真が発起人となった自主運営型のシェアハウスです。起業や何かをしたい人がシェアハウスに住んで生活費を浮かせたりお互いに刺激を受けるということを意図していたようです。
 しかし、”現代の駆け込み寺”と銘打った為、困っている人も訪れるようになりました。むしろそういう人の為のシェアハウスなんじゃないかと感じた人もいたかもしれません。このへんには家族関係や生活が安定していないと一人暮らしができないという日本の生活事情も大きく関係していたことでしょう。
 リバ邸は現在の駆け込み寺なのか。そもそも現在の駆け込み寺ってなんだ?という混乱はあったのではないかと思います。

 このリバ邸を都市的と地方的という概念で考えてみると、すっきり見えてくるものがあります。
 起業などをしたい人が集まるということですから、リバ邸は非常に都市的なものです。一方で困ってる人というのは一概には言えませんが、身動きが取れない人が多いわけですからどちらかといえば地方的な人が多い。ここにミスマッチがあるわけです。
 このミスマッチについて分かりやすい例を上げます。昔ホリエモンが失業について「失業したらみんな起業すればいいじゃん」と言ったことがありました。当然、起業ができる(能力というだけでなくマインドとして)人は限られているので、こんな提案は失業したほとんどの人にとって意味を成しません。都市的なホリエモンは世の中には都市的な人しかいないような前提で地方的な人に向かって話しているからこういったチグハグなコメントになってしまうわけです。 

 さて、ではリバ邸・現代の駆け込み寺はどうすればスッキリするでしょうか。
 一つの解決策は分断してるのだからどちらかに割り切ってしまうという方法です。都市的な場所なのだから都市的な人を対象に絞るというわけです。「現代の駆け込み寺ってのは起業とか新しいことをしたい人を対象ってことです」とはっきり宣言してしまうわけです。
 もう一つやり方があるとすれば、この分断を越える仕組みを何か考えることです。中途半端などっちつかずは止めた方がいいでしょう。それこそふくろう。。。じゃなかった、コウモリになってしまいます。
 こんなことを書きましたが、私にはその仕組みは今のところ分かりません。もしそれが分かる人がいれば、その人は今の世界の分断もいい方向に導ける人かもしれません。

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